教育実習でハラスメントを受けたらどうしたらいい?対処法と未然防止法

「これってハラスメントかも…?」
「誰に相談したらいいんだろう…」
と悩んでいる実習生の方もいるのではないでしょうか。
教育実習中は指導を受ける立場であり、時に厳しい指導もありますが、一線を超えたハラスメントに悩むケースも確かに存在しますよね。
実は、教育実習におけるハラスメントには明確な判断基準があり、適切な相談窓口や対処方法が用意されているのです。
この記事では、教育実習中に起こり得るハラスメントの種類と、その対処法について解説します。
- 教育実習でのハラスメントの種類
- ハラスメントかどうかの判断基準
- 具体的な対処法
記事を読むことで、一人で抱え込まず適切な対応が取れるようになりますよ。
あわせて読みたい(タップで閉じる)
教育実習で起こり得るハラスメントの種類

教育実習中のハラスメントには、主に以下の5つのタイプがあります。
①指導に関するハラスメント
指導の過程で起こり得る不適切な行為です。
例えば、
- 指導案を何度も書き直させるが、具体的な指導がない
- 深夜まで指導案の修正を強要される
- 必要以上に叱責される
- 他の実習生と過度な比較をされる
- 指導案の添削を放置される
- 準備時間を考慮しない突然の授業変更
などのような行為が考えられます。
(昔はこんな教育実習ばっかりでしたね…)
②精神的なハラスメント
精神的なハラスメントとは、実習生の人格や尊厳を傷つける行為のことをいいます。
例えば、
- 人格を否定するような発言
- 教職への適性を否定する言動
- 実習生の前で声を荒げる
- 明らかに無視をする
- 他の教職員の前で必要以上に叱責する
- 過度に威圧的な態度
などが該当します。
(私が実習に行った頃は、児童生徒の前で、ベテランの先生が教育実習担当先生を叱責し、私達実習生のメンタルをエグってくるような謎の指導が行われていましたね…。「私達のせいで担当の先生が叱られる…」という恐怖です。あれは酷かった。)
③セクシュアルハラスメント
性的な要素を含む不適切な言動です。
例えば、
- 不必要な身体接触
- 性的な話題への言及
- 容姿やプライベートについての不適切な発言
- 個人的な食事やデートへの誘い
- 服装について過度な指摘
- SNSやLINEの交換を強要
などが該当します。
④パワーハラスメント
権力関係を利用した不当な要求や強要です。
例えば、
- 過度な雑務の強要
- 勤務時間を大幅に超える拘束
- 必要のない休日出勤の要求
- 個人的な用事の強要
- 教材費の個人負担の強要
- 指導と無関係な作業の要求
などが該当します。
⑤アカデミックハラスメント
実習生の学びや評価に関する不当な扱いです。
例えば、
- 実習日誌への不当な指摘
- 研究授業の機会を与えない
- 必要な情報の意図的な隠匿
- 実習評価を盾にした脅し
- 大学への中傷的な報告の示唆
などが該当します。
教育実習で「ハラスメントかも…?」と思ったときの対処法

ハラスメントが疑われる状況に遭遇した場合は、以下の3ステップで対応しましょう。
まず、発生した状況を具体的に記録に残します。
以下のような内容を振り返りながらメモに残しましょう。
- 日時、場所、状況を具体的に記録
- 関係者の言動を客観的な視点で書く
- 証拠等あれば
(LINEのスクショなど) - 周囲に証人がいた場合はその情報もメモ
また、その際の自分の対応についても記録を残すことが大切です。
次に、大学の担当者に状況を報告します。
実習指導の担当教員を中心に、教職課程の事務窓口やハラスメント相談窓口などを活用して報告・相談を行いましょう。
- 研究室の指導教員
- 実習指導の担当教員
- 教職課程の事務窓口
- ハラスメント相談窓口
- 学生相談室
この段階で、ハラスメントであると確定したら、大学側が動いてくれます。
同時に、信頼できる人々にも相談することをおすすめします。
実習仲間との情報共有や、家族、先輩教員、大学の友人などへ相談してみましょう。
信頼できる人に相談することで、あなたのメンタル面を守ることができます。
状況によっては専門家への相談も検討しましょう。
問題に直面した際は、まず一人で抱え込まないことが最も重要です。
感情的になることを避け、冷静に状況を説明するよう心がけましょう。
その際、できるだけ客観的な事実に基づいて伝えることを意識し、具体的な対応策について相談することが大切です。
教育実習のハラスメントを予防するには?

教育実習のハラスメントを事前に予防するために心がけたいことを紹介します。
ハラスメントを予防するための事前準備
教育実習でのハラスメントを防ぐために、実習開始前からできる準備があります。
①実習校のルールを確認
まずは実習校のルールをしっかり把握しましょう。
- 服装や身だしなみの規定
- 勤務時間のルール
- 教材準備の方針
- 実習生への指導方針
これらのことを事前に確認しておくことで、「ん?この指導なんかおかしくない?」と事態が大きくなる前に、トラブルに気づくことができます。
②相談窓口を把握
困ったときのために、以下の相談窓口を確認しておきましょう。
- 大学の実習担当教員の連絡先
- 実習支援課の電話番号
- ハラスメント相談室の場所と連絡方法
- 学生相談室の利用方法
事前に相談窓口がわかっておけば、何かあったときにすぐに連絡することができます。
③実習日誌に適切な記録を残す
実習日誌には、以下のような点を意識して記録を残しましょう。
- その日にあった出来事を具体的に
- 指導内容とその意図
- 自分の気づきや学び
- 困ったことや悩んだこと
記録を残すことで、後から振り返ったときに状況が把握しやすくなります。
④実習仲間との情報交換
他の実習生との適度な情報交換も大切です。
- 指導の様子を共有
- 困ったことの相談
- 対応方法のアドバイス
ただし、これは愚痴や批判の場ではないので、建設的な情報交換を心がけましょう。
「指導」と「ハラスメント」の線引き
時には「これは厳しい指導なのか、ハラスメントなのか」判断に迷うこともあるでしょう。
そんなときは、以下のような視点で考えてみましょう。
- その指導に教育的意図があるか
- 他の実習生も同じような指導を受けているか
- 指導内容が具体的で建設的か
- 精神的な追い詰めや人格否定がないか
判断に迷う場合は、必ず信頼できる第三者(大学の先生や実習仲間など)に相談し、客観的な意見をもらうようにしましょう。
教育実習は教員になるための大切なステップ。
しかし、だからといって理不尽な扱いを我慢する必要はありません。
適切な指導の範囲を超えたハラスメントだと感じたら、勇気を持って声を上げることが大切です。
まとめ:教育実習中のハラスメントには「記録」と「相談」が有効

教育実習中のハラスメントについて紹介してきました。
まとめると、
- 教育実習で起こり得るハラスメントの種類
- 指導に関するハラスメント
(過度な書き直し要求、具体性のない指導など) - 精神的なハラスメント
(人格否定、威圧的態度など) - セクシュアルハラスメント
(不適切な接触、プライベートへの干渉など) - パワーハラスメント
(過度な雑務、不当な時間外労働など) - アカデミックハラスメント
(不当な評価、機会の剥奪など)
- 指導に関するハラスメント
- ハラスメントへの具体的な対処方法
- 具体的な記録を残す
(日時、場所、状況、言動など) - 大学の関係者に相談
(指導教員、実習窓口、相談室など) - 信頼できる周囲の人々に相談
(実習仲間、家族など)
- 具体的な記録を残す
- 予防のための事前準備
- 実習校のルールを事前確認
- 相談窓口の把握
- 実習日誌への適切な記録
- 実習仲間との建設的な情報交換
教育実習は教員になるために必要不可欠なものですが、だからといって、ハラスメントを我慢する必要はありません。
「ハラスメントかも…」と感じたときは、一人で抱え込まず、記録を残して色んな人に相談するようにしましょう。
教育実習「Q&Aカテゴリ」には、以下の記事があります。
気になる記事をタップで読んでみよう↓
\まとめ記事はこちら/
個別記事